キャスト上がりとバレル研磨
前回の続きです。
キャスト屋さんに依頼していたワックスが地金になって出来あがりました。
これを『キャスト上がり』といいます。
地金の種類はシルバー925です。
白くて表面がザラザラしています。
猫の背中についているものを『湯道』といいます。
これは、溶けた地金を流し込む通り道のことで、キャスト上がりにはこの湯道が必ずついてきます。
湯道をヤスリで削り取ります。
ここからいろいろな道具を使って仕上げに入ります。
今回は、バレル研磨機を紹介します。
これがバレル研磨機です。
下の黒い部分は、強力な磁場を発生させる装置です。
その上に、円筒形のクリアケースが乗っかっていて取り外すことができます。
クリアケースを取り外してみます。
中には、水と小さい金属片が入っています。
この小さい金属片のことを『メディア』と呼び、ピン状のものとボール状のものがあります。
クリアケースを再び装置に乗せます。
よく見ると、メディアが装置の磁気に反応しているのが見えます。
このメディアはステンレス製ですが、磁気を帯びるように特殊な処理が施されています。
上蓋を開けて、中にキャスト上がりの地金を入れます。
装置のスイッチを入れると、ケース内は渦のように水流が発生し、メディアが細かく振動します。
そのメディアの動きにのせられて、地金たちは踊るように回ります。
約30分ほど待ちます。
地金を取り出すと、銀色に光っています。
キャスト上がりの状態と比べると、シルバーっぽくなっています。
バレル研磨は、メディアと呼ばれる金属片と、キャスト上がりの地金をこすり合わせて磨くものです。装置が自動で磨いてくれるので大変たすかります。
しかし、このあとからは一つ一つ手作業で磨き上げなければなりません。