指輪の作り方(鍛造法~その3)
前回の続きです。
ここからは焼鈍しをしながら、ひたすら叩いてデザインの形に成型します。
同時に目標のサイズまで引き伸ばします。
リングの継ぎ目がロー付けだったら、この工程で破断してしまいます。
とも付けは繊細な感覚が求められる技術といえますが、
品質の完成度はとても高いです。
目標サイズより0.5番ダウンでこの工程は終了です。
形も整ってきました。
ここから仕上げに入ります。
荒目のヤスリで形を整え、細目までヤスリ目を細かくします。
同時に指なじみも加工し、芯金と木槌で真円になるよう目標サイズに合わせていきます。
キサゲでヤスリ目を削り取ります。
超硬ヘラで表面をならします。
バフ掛けして完成です。
ピカピカになりました。
地金製作で良かったと思う瞬間です。
ロストワックス法で製作した場合、材料にピンホールが点在していることがよくあります。すると、バフ掛けの時に引っかいたような筋が現れ、綺麗になりません。
最後の最後で欠陥が表面化するのは気持ちの良いものではありません。
同じ手順でペアも製作します
製作手順は以上ですが、地金管理についても報告しておきます。
(A)インゴットの重量 15.36g
(B)完成品の重量(メンズ) 5.97g
(レディース) 5.55g
(C)回収した粉の重量 3.57g
(D)端材の重量 0g
以上から損失した地金の重量を計算します。
A-(B+C+D)=損失地金
15.36-(5.97+5.55+3.57+0)=0.27
今回の製作で0.27gの18金を失いました。
地金を削ったり磨いたりすると、どうしても回収できない地金が発生してしまいます。
この損失を業界では”ヘリ”といいます。
完成品重量との比率で計算すると
0.27÷(5.97+5.55)=0.023
この比率が0.1未満であれば問題ないといえます。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
今後も製作内容をどんどん公開してまいりますので、宜しくお願いします。
ハンドメイドジュエリー アトリエちぃぷぅ
ブライダルリング 東京 雑司ヶ谷
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