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指輪の作り方(鍛造法~その2)

前回の続きです。


次に角棒を曲げてリング状にします。


このときのリングサイズは、目標サイズより6番ダウンにします。


リングの継ぎ目はロー付けが一般的ですが、後工程の関係上”とも付け”にて製作します。


”とも付け”のやり方は各職人により違うと思いますが、ここでは私のやり方を紹介します。






合わせ面にX開先の加工を施します。









まず、内側の開先面に、地金の端材を乗せます。


余盛り部を考慮し、大きめの端材にします。


この状態で端材を溶かし込みます。


火炎は酸素バーナーがベストですが、ブローパイプでも出来ます。





このようになります。


火炎を当てるときの注意点は、リング側の地金を溶かしすぎないようにすることです。


溶けた端材の熱を利用しながら、リング側を溶かし込むといった具合です。


職人の感性が求められる瞬間といえます。






十分に酸洗いして黒い酸化膜を取り除きます。



外側の開先面を整え、先ほどと同じ手順にてとも付けをします。








余盛りが側面に垂れてしまいましたが、溶け込みは十分だと思います。













余盛りの部分を金槌で叩きます。

とも付けはロー目が出ないというメリットがありますが、ピンホールや融合不良といった内部欠陥が発生しやすいというデメリットがあります。


融合不良が表面に出てきた場合はとも付けをやり直さなければなりません。ピンホールは仕上げ時に厄介な欠陥となるので、ここで叩き潰しておきます。



ヤスリで形を整えたらとも付け作業は完了です。



鍛造法で指輪を制作する場合、必ず切れ目ができます。

切れ目をつなげるには、ロウ材を使用してロウ付けするのが一般的です。

とも付けはコストが高くつくのでかなり特殊な制作方法です。


ロウ材は本来の地金に他の金属を混ぜることで融点(溶ける温度)を低くしています。

そのため本来の地金に比べ、色見や機械的性質が違います。


ロウ付けするということは、切れ目にロウ材を流し込むことなので

厳密にいうと切れ目は少し色味が違います。


ロウ付けした箇所を『ロウ目』といい、

うまいロウ付けはロウ目が全く見えない仕上がりになります。

逆に下手なロウ付けだとロウ目に穴が開いていたりして目立ってしまいます。



その点とも付けはロウ目がないので、仕上がりに関する心配はありません。

アトリエちぃぷぅの鍛造はすべてとも付けで制作しております。


今日はここまで。

次回は、さらに延ばして叩いて磨きます。





ハンドメイドジュエリー アトリエちぃぷぅ

ブライダルリング 東京 雑司ヶ谷



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